人生は一本の映画のようなもの。いかに他者と物語を紡げるか

グーグル合同会社 大山 尚輝さん

2017/05/17

立教卒業生のWork & Life

OVERVIEW

異文化コミュニケーション学部を卒業し、今はGoogleで働いている大山 尚輝さんからのメッセージです。

「全員留学」だからこそ、事前に 留学の意味を考えておくべき

親が外資系企業に勤めていたので、海外に対する憧れは小さい時からありました。立教大学の異文化コミュニケーション学部を選んだのも、海外での経験が積めると考えたからです。この学部では全学生に留学することが求められています。複数の留学先候補がありましたが、留学に関する情報や選択肢を学部の授業や特別講義で知ることで、自分が何を学びどのような経験を積みたいかを事前に考えることができました。
留学先ではできるだけ多国籍な空間での交流を心がけ、異文化に触れるようにしました。この仕組みをうまく活用できるかどうかは本人次第です。この学部を選ぶなら、どの留学先で何を学びたいのか、ある程度想定しておくといいかもしれません。

留学で身につけた「失敗しても いいからやってみる」姿勢

約半年間、アメリカのワシントンDCに留学し、外交政策を専攻しました。留学を通しての学びは自分の立ち位置を客観視できるようになったことです。現地では、国籍や文化が違う学生同士が、政治をテーマにディスカッションを行うのが日常でした。今まで自分の知ることのなかった世界に触れて、自分を取り巻いている環境を他の視点から考えられるようになるだけでも、留学には意味があると思います。
こうした環境も手伝って、授業では常に積極的な発言が求められました。発言して失敗することより、発言しないことの方が良くありません。例えその発言が80%の質問や回答だとしても、一度アウトプットすると他の人の意見や改善を加えることができるので、結果的に深い内容のディスカッションにつながります。まずはやってみる姿勢が身についたのは、私にとって大きな成長でした。この時の経験は日本に帰ってから今に至るまで活きているように思います。

海外でのインターンシップで 知ったコミュニケーションの違い

留学先ではアメリカのテロ対策の研究機関で、日々のテロ関連の情報収集や資料作成、カンファレンスの準備を手伝うといったインターンシップも経験しました。日本でアルバイトをしている時は具体的に指示をもらうことが多かったのですが、そこでは上司からの要求が概念的で、理解に時間がかかりました。そこで相手が何を求めているのか質問や確認をしていくことで、考え方のギャップを埋めるよう努めました。ここでも自分の意見や考えを能動的に発信していくことが必要であることを学びました。
留学後は国際協力に関心があったので、難民支援のボランティアやバングラデシュに行ってNPOの活動内容を見ました。4年次の秋学期には、大学を休学して半年間インドのIT企業のインターンに参加し、現地の留学事業とアプリ開発に携わりました。現地で気づいたことは、多様なバックグラウンドを持つメンバーとの仕事の進め方の違いです。自分は仕事のプロセスを仕組み化して整えるのが得意な反面、目標設定や決断に時間はかかっていました。一方で現地で出会ったメンバーはアウトプットしてから修正をするので、結果までの道のりは短く、逆にプロセスを整えることは苦手なようでした。海外で活動したことで、より多様な価値観を持つメンバーと出会い、それぞれに異なる良さや強みがあるのだということを体感しました。

就職活動とは、 自分の人生と向き合うこと

就職活動は今までの自分の過去の行動や思考を整理して、3つの軸を決めました。それは一緒に働きたいと思える人がいるか、企業が成長する組織風土か、企業の理念が自分の目指す方向と合っているかです。
グーグルに入社を決めた理由は、これらの基準に最も合致していたからです。現在は広告営業本部で、お客様のビジネスの課題解決に日々取り組んでいます。自分がお客様に対してどのような価値を提供して貢献できるのかを考えることはチャレンジングであり、面白いです。
私は人生とは一本の映画のようなものだと思っています。自分の映画の尺が決まっているなら、最高の映画にしたいです。だからこそ、常に考えることと行動しつづけることを心がけています。その中で大事にしているのはどんな人と出会ったか。かかわったか。感謝されたか。主役は自分なので、折角ならかっこいい主人公でありたいですね。

プロフィール

PROFILE

大山 尚輝さん

グーグル合同会社
広告営業本部 アカウントストラテジスト
異文化コミュニケーション学部 異文化コミュニケーション学科2016年卒業

※本記事は、大学新聞社による「就活支援ジャーナル」(2017年5月発行)の記事を再構成したものです。記事の内容は取材時点のものであり、最新の情報とは異なる場合がありますのでご注意ください。

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